ドラクエなどのテレビゲームで「HP」と「MP」という概念があります。

  • HPとはヒットポイントの略で、フィジカル面の残容量を示し
  • MPとはマジックポイントの略で、精神的な残容量を示します。

この概念は非常に秀逸で、まさに今の我々の生活にも当てはめて生活を意識してみると、 日々の生活が効率良くなります。

HP: ヒットポイント

HPとはすなわち我々の健康を表しています。そのため、日々健康な食事を食べ、 良質な睡眠を取り、適度な運動をすることでここの数値を高めることが出来ます。 風邪などでHPが低い状態なれば、もちろんパフォーマンスも下がりますし、 これが完全に0になってしまった状態では、仕事も何もすることが出来ず、 回復のために、ただただ寝るのみです。

仕事なども納期直前に無理を聞かせ、ギリギリの状態で出来ることもありますが、 一度一線を越えてしまうと、結局大幅なタイムロスになります。 味方が回復してくれない限り、復旧しないレベルです。

MP: マジックポイント

実はMPのほうが重要だったりします。 ドラクエの世界では、魔法を使える残容量という意味合いでマジックポイントが存在しますが、 まさにこれは精神そのものの容量を示していると思います。

精神が高ければ、そこから魔法などを利用して、HPを回復することが出来ます。 不眠不休であるが、大炎上しているプロジェクトがあり、体力はないが精神力でカバーしているような状態です。

逆に日々のストレスフルな生活で精神ポイント(MP)がすり減り、これが0に近くなってしまうと、 無気力状態やうつ状態になってしまいます。 HPより厄介なのがこれです。ゲームでもMPはHPを回復させることが出来ますが、逆は出来ません。

MPを攻撃してくる敵がいるのが恐ろしいのはゲームの世界では身思って体験しているはずです。

MPが減る条件とは

MPが減るというのは心理的な負担がかかっているという意味になっているかと思います。

  • 決断をする
  • 作業を切り替える
  • 間違える
  • 新しいことをする
  • 自分がコントロール出来ない事柄

私の中では上記のような項目が、精神的な負担を与えます。 決断や作業の切り替えも大きくMPにダメージを与えます。 人間は同時並行で作業出来ないように、作業の切り替えがバンバン発生してしまうと、 非常に脳が負担に感じます。

決断も同様です。ITの世界では「仕様書の作成」などという作業があります。 仕様書とは「こうしましょう」という取り決めな訳ですが、 まさに小さな決断の塊の資料であります。 こういった小さな日々の決断も精神に負担を与え、その結果、 「休日はなにも気力がおきない」「家に帰っても直ぐ寝てしまう」といった状況を引き起こしています。

この辺りは「決める - スティーブマクラッチー」に詳しく書いてあるので、参考ください。非常に面白い本です。

MP不足の対策方法

裏を返してみると

  • 決断をしない
  • 作業に集中出来る
  • 間違えない
  • 慣れたことしかやらない
  • 自分がコントロール出来ることしかやらない

こういったことばかりやっていれば、負担が非常に低いはずです。

日々の生活の上で、決断をしないことであったり、作業にひたすら集中出来ることは難しいかと思います。 ただ、少しMPが減ってきたな?と感じたら、あえて戦略的に何もしないということは非常に重要だったりします。 MPはなくなってしまうと回復が厳しいですが、高い位置でキープできていればいくらでも身動きがとれます。

上のポイントは自分の中の精神的負担ですが、かなり大多数の人に当てはまると思います。 自分なりの精神的な負担を見つけ出し、それをMP値だと思って、戦略的に保存するのはいかがでしょうか。