今日デニムパンツを購入してきました。いつでも新しい洋服を購入するときは楽しいものです。 洋服屋に行って見ていると、たいていショップ店員が話しかけてきて、 「これがオススメです」「これが新作です」「ご試着どうぞ」などあれこれ助言をくれます。 何か買うモードの時はありがたいですが、そうでない時は面倒くさいなと思ったりします。
さて、今日のやりとりから「もしかしてこれはシステマチックに戦略的になっているのか?」 と感じました。
店員のおすすめと購入
デニムパンツ専門店です。ウォッシュ加工の技術があり、一番の主力は30,000円程度の価格帯の加工デニムです。 最初一番ベーシックな加工デニムを試着します。これをデニムAとします。
- デニムA: 30,000円
店員さんも「これが色合い的にも夏場におすすめです」と伝えてきます。 とりあえず保留して、他も探してみると、加工がされていないシンプルなワンウォッシュデニムがありました。 デニムBとします。形は同じですが、ウォッシュなどの特別加工が入っていないため、安いです。
- デニムB: 20,000円
とりあえず試着してみます。形はデニムAと同じなので特に普通です。 形は一緒で値段が安いので私はデニムBに惹かれはじめます。そこで店員が一言 「夏場なので、明るめの色のデニムのほうが良いですよ。」
まぁ確かにその通りではあるのですが、値段が1万円も安いので、 多少我慢してもいいや、という状態でデニムB優勢です。
デニム | 値段 | デザイン | カッコよさ |
---|---|---|---|
A | 30,000円 | 加工デニム | ◎ |
B | 20,000円 | ワンウォッシュ | ◯ |
その状況を察してか店員さんが新しい1手を出してきます。 「今期限定のカラーです。加工なしのワンウォッシュですが、色が違います」
- デニムC: 33,000円
値段はなんと一番高いです。限定モデルだからでしょうか。 ただ個人的にこの値段を出すのであれば、加工のほうが良いような気がします。
デニム | 値段 | デザイン | カッコよさ |
---|---|---|---|
A | 30,000円 | 加工デニム | ◎ |
B | 20,000円 | ワンウォッシュ | ◯ |
C | 33,000円 | ワンウォッシュ(限定) | △ |
三択になりました。AとBの「カッコよさ」「値段」という二軸の戦いから、3つの選択肢になります。 もちろん人間は松竹梅あるとついつい梅は選ばないという法則があったりしますが、 今回はその効果よりも、カッコ良くないCという選択肢があることで、よりデニムAの良さが引き立ちます。
この流れは「ダンアリエリー 予想どおりに不合理」の奴かもしれない・・・と感じるも、 「もう当分ズボンは買わない」と心に誓い笑、結局店員さん推奨のデニムAを購入して、家路につきました。
デニムパンツの裾上げ
必ずパンツを購入したときは裾上げはしなければいけませんが、これも顧客から収益を上げるテクニックなのでしょうか。 特に加工デニムでは裾の部分が凄い加工されています。これを(1)裾上げ後も残すか、(2)そのまま切ってしまうか、の2拓です。 完全なデニムをそのまま再現したければ、さらに加工賃を払って(1)をしなければなりません。
- 裾上げを必須にし、裾上げ料を貰う
- 裾に特殊加工をし、「これを残すためにオプション料金」といったアップセルを用意
- 後日仕上がり品を取りにこさせることで、再来店させる
あえて、デニムを長くして、 売り上げを伸ばすために色々工夫しているのか・・・・と勝手に想像してしまいました。 (ディスプレイされたままの裾で履けた記憶もなし)
最後に
心理学など色々な要素を絡めて、洋服関連も色々なビジネスのテクニックがあるのかなと感じ、 急にワクワクしてきました。頭がいい人が考えているのでしょうか。
幸い知り合いに有名ブランドの服飾屋の店員がおり、明日会えるチャンスがあるため、 仮説は本当なのか本人にヒアリングして検証してまいります。